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ドロップ、クリアー、スマッシュ。ショットによりリアクションステップのタイミングはどうなるのでしょう?~バドミントンは予測のスポーツです⑦~

みなさんお元気ですか?うちバドへようこそ!おおかみパパです。

ブログをはじめてもうすぐ1年。これまでメールとか、コメントはいただいていたのですが、昨日は初めて、”生で”、
「いつもブログ見てます!」
と応援いただきました。おおかみ、感激(泣)。
びっくりもしたのでシドロモドロの受け答えになってしまいましたがwww、とっても嬉しかったです。

#しかも相手は県の「Queen of じゅんちゃん」のママさんだったので、とても恐縮。でも、どうして正体がばれたんだろう…!?

フーにいろいろな経験をさせてあげようと連れて行った、フーにはちょっとハイレベルの練習会でしたが、本当に、行ってよかったです。


さて、今回はドロップ、クリアーの反応時間も考えてみたいと思います。
前回の図にドロップ、クリアーの場合を追加してみました。(数値の単位は秒です。)
#スマッシュの滞空時間は0.5秒、クリアとドロップは1秒程度なんですね。

バドミントンのドロップ、クリアー、スマッシュの反応時間の図

ロングハイサービスが打たれたケースで、上の青線がロングハイサービスのレシーバー。下の緑線がサーバーです。

  • 上がロングハイサービスをスマッシュで返す(青線)→スマッシュレシーブ(緑線)。
  • 真ん中がロングハイサービスをクリアーで返す(青線)→クリアーで返す(緑線)。
  • 下がロングハイサービスをドロップで返す(青線)→ヘアピンで返す(緑線)。

になります。

サーバー側が相手のレシーブに対して反応を始めている時点、リアクションステップが終わりシャトルに向かって移動を開始した時点で揃えてみました。


いずれのケースでもほぼ同じなのは、リアクションステップが終わって相手のショットに向かって動き始めるのが、相手がショットを打ってから0.23~0.26秒後。
リアクションステップで空中に浮いているときに相手がヒットしている感じですね。

よく
「相手のショットに合わせてリアクションステップとるんだよ~。」
とかアドバイスしますが、”合わせて”っていうのは相手がラケットを振りはじめるのに合わせて伸びあがるっていう感じですね。
リアクションステップが遅れてしまう子には
「相手がラケットを振りはじめるのに合わせて、伸び上がってみて!」
くらいが良さそうです。


でも最初はそれで良いとして、リアクションステップはそう単純でもなさそうです。
スマッシュのときはリアクションステップを小さく、速くとっていることが分かります。

つまり、リアクションステップを始めるときには、ある程度ショットを予測しているんですね。
そしてそのタイミングは相手がヒットする前どころか振りはじめとほぼ同等。相手が振りはじめる時点である程度の予測をしていることは間違いなさそうです。

上の図に選択肢2、つまりスマッシュか、それ以外かの2択のときの反応時間を追加してみましょう。リアクションステップのとりかたを変えるためには、リアクションステップの伸び始めから逆算して反応開始点を予測してみます。

バドミントンのドロップ、クリアー、スマッシュと予測反応時間の図

えっと、ラケットの振りはじめどころか、シャトルの下に入って右足をついたくらいの時間まで遡ってしまいますね。こうなってくると、単純に選択反応時間のみに基づいた予測だと説明がつきません。

#あるいは、ほんとうに、シャトルの下に入って、右足をついたあたりで「スマッシュ」か「それ以外」か予測できているのでしょうか?
#それだと人間って本当にすんごい!

おそらくですが、どこかの時点までの情報に基づいて、動きを確定することはしていないのでしょう。その時点時点までの情報で予測と修正を細かく繰り返し、その都度命令を出して体を動かしているのだと思います。

予測と修正の繰り返しの図

これに関して何か詳しいレポートとかないかなぁと思って探してみたのですが、見つけられませんでした。もし、体育学科系の方で興味があったら、どんなふうに判断して、体を動かしているか研究してみてもらえると嬉しいなぁ。

とりあえず分かった範囲でまとめると

  • 相手がラケットを振りはじめるくらいのタイミングでリアクションステップの伸びあがりを始めている。
  • リアクションステップはスマッシュのときは小さく速くとっている。リアクションステップのとりかたは相手のショットにより異なる。つまり、リアクションステップ開始時点で、なんらかの予測が完了している。
  • 相手のショットによりリアクションステップの取りかたが異なることを考えると、相手がラケットを振りはじめる時点ですでに何らかの予測が終了している。
  • リアクションステップ後の動き出しから選択反応時間を差し引いてみると、選択数2以上のときは相手がシャトルをヒットする前に判断を始めているはず。選択数6とすると、相手のラケットが動き始めるあたりで判断を始めているはず。(これについては前回のブログを見てくださいね)

です。要するに、

打ちだされたシャトルを見極めて動いていては間に合いません

ですね。まあ、当たり前と言えばそれまでなんですけど(笑)。でも、調べてみて体を動かす時間だけではなくて、
頭の中で判断に要する時間っていうのは結構おおきい
ものなのだと思いました。

フットワークのスピードアップだけじゃなくて、判断速度のスピードアップも大切そうですね。
中学生はまだまだ判断速度はあがるそうです。がんばりましょう!

それでは、また!
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6 コメント:

  1. お久しぶりです!
    すんごい世界に入り込んでますね~(笑)ここまで分析している方は他にいないのでは?私もさらっと読んだだけなのでもう少し読み込んでみます!何か気づきがありそうです!

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    1. ちゃんりんさん、お久しぶりです!お元気ですか?
      そうなんです。思わずはまってしまいました(笑)。これでも理系男子なので。
      実はこの先も”どっかにヤマ張っていた時はどうなるんだろう?”とかちょっと調べています。
      でも少々疲れてきた(笑)ので、とりあえず一休みしてまたいろいろまとまったら書いてみようと思います。
      それでは、また!

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  2. ん〜〜〜分析してますね〜〜〜!
    バドは完全なるリアクションでは間に合わないという論文をどこかで読みましたよ。
    おおかみパパさんの考察と同じで、相手が打ってから反応しろとは言いますが、実際は予測して先に動いているのは間違いないです。

    あとは予測が必ず当たるとは限らないけれど最速で反応すべきものを最優先にしてリアクションステップを踏んでいるとか、相手のフォームにより予測と取捨選択の局面の早さが違うだろうなとか(いわゆる”起こり”が少ない、インパクトが短い=待ってコンパクトに打てる人は予測しにくいと思います)、場合分けを考え始めたら眠れなくなりそうですよ(笑)

    うちのチームの人にもどうして全部待つんだって言ってるんですけどねぇ〜〜〜全部待って結局何でもない、デセプションが効いている訳でもないドロップをノータッチとかしちゃうんですよねぇ、ハァ〜〜〜…。これをどうやって教えたら良いのか…。

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    1. みゃーこさん、こんばんは!

      そうですよね~。間に合いませんよね~。でも、論文があるってことは同じようなこと考えている学者さんもいるんですね。私もそっちの道へ進めば良かったかも(笑)。

      いわゆるヤマを張る場合はどうなの?ってことは私も興味があって、少し調査中です。ちょっとでもなのちゃんずに役立てられそうな形にまとめられたら、また書いてみようと思っています。

      ”待ち”は試合経験によるところも大きいかも知れませんね。なかなか理屈だけではヤマ張れないかも。でも練習で動いて見て、外れて”あ~れ~(汗)”みたいなことを繰り返して覚えるような気もしますね。何事もやってみないと。

      それでは、また!

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  3. すごい分析で感心・驚嘆しましたが、なのちゃんずにはちょっと(かなり?)難しいかも。

    反応時間が選択肢の数を n とすると log(n+1) に比例する(まあ、log(n) でも大して変わんないけど)というのはかなりトレーニングを積んだ後の場合で、初見に近いと n に比例するような気がします。log(n) に比例するということはいわゆる二分法的な判断を繰り返してしているわけで熟練するとそれができるようになるというのはそれはそれですごいことのような。

    予測とも絡むのですが、今ほとんどの対人球技ではリリースの瞬間まで同じフォームで複数のコースに複数の球種を打てることが必須になってきていると思います。ワールドシリーズで活躍した上原投手は球種自体はそう多くはないと思いますが、ストレートとフォークを同じフォームで投げ分けられるそうです。従来のカーブ・ドロップなどは握りが特殊なため下手をするとテークバックの時点でばれてしまうことも多く、それが最近あまり投げられなくなってきている理由の一つだと思われます。卓球ではサーブのインパクトの瞬間を体や手で遮って相手から見えないようにするのがあまりに流行りすぎたため10年ほど前にサーブのルールが改正されて隠すこと自体が禁止されました。

    たいていの場合(卓球のサーブは違うかも)、おおかみパパさんが分析されたようにインパクト(あるいはリリース)の時点で反応しても間に合わないのでどうしてもその前に何らかの方法で予測することが必要になってきます。そのための手段の一つとして相手の動きの癖を見極めてインパクト以前に判断できるような観察眼が必要になります。この流れで癖というとラケットの動きだけを考えがちですが、フリーハンドの使い方とかフットワークのステップのタイミングとか相手の動き全体から判断することが必要になってきます。
    ほかの手段として、相手の配球の癖を読むというのもあると思います。強い選手というのは事前の分析はもちろんことその場でこういう判断ができる能力に秀でているのでしょうね。

    逆に打つ場合には、相手に悟られないようにインパクト直前まで同じ動作で様々な球種・コースに打ち分けられるようにしておく必要があります。あるいはあえて癖を残しておいてゲーム後半で別の球種を打つディセプションみたいなのも有効かもしれません。

    正月だったかNHKで山口茜選手の特集みたいなのをやってて彼女の決め球の一つであるラウンドからのリバースカット気味にバック前におとすショットが紹介されていたのですが、娘はそれを見て「あ、これ反応できない」と言ってました。ま、反応できるようならインターハイ出場余裕だろうとは思いましたが。

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    1. Bad父さん、詳細なコメントありがとうございます♪
      なのちゃんずには…難しかったですよね(笑)。今回のシリーズはおおかみの趣味の世界に入り込んでしまいました。

      強い選手ってのは予測も出来なかったショットが試合中に来ても、試合が終わる頃には何とか対応できるようになっているのでしょうね。同じ試合で何度も同じショットを決められていては勝ち目がありませんよね。
      それも、普段の練習でいろんなショットを見ているから、頭の中の”重み付け”を試合中に変えられるのでしょう。やっぱり、いろんな人と沢山練習が必要ですね。

      ゲーム後半でのディセプション、使えたらなのちゃん卒業かも知れません(笑)。こういう風に頭も使えるようになると、バドミントンもさらに一段面白くなりますよね。

      山口さんのは…反応できないでしょ~。すぐ出来るようなら確かにインターハイでれちゃいそうですね。
      それでは、また♪

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